TIPS2 ニットはなぜ縮むの?どのように洗えばいいの?
縮んだり、型くずれしにくい洗濯や干し方を。
ニット(編物)は糸で形成されたループが連結してできています。
このため、たて糸とよこ糸が交差した織物とは違って変形しやすく、洗濯時に水につけて布地を動かすとループが変形し、型くずれが起こります。
さらに綿ニットやウールニットの場合、繊維の特性が重なって縮みはさらに大きくなります。
ニットなどデリケートな衣類の洗い方
- 衣料取扱絵表示を確認
まず、ニットに付いる品質表示に絵表示が記載されています。
その絵表示を見て、洗濯方法を確認しましょう。
- 中性洗剤を使用
繊維を痛めにくい、中性洗剤を使用しましょう。
※中性洗剤の種類については、『制服のお手入れ 基本編:制服にあう洗剤は?』を参照してください。
- 洗う時の水温にも注意
ウールや綿などは、水温によっても劣化して縮む場合があるため、注意が必要です。
ウール … 30℃以下の水温
綿/麻 … 40℃以下の水温
- ネットを使用
他の繊維と摩擦して毛玉ができないように、ネットに入れて洗いましょう。
- つけ置きがポイント
“手洗い”だけでなく、“洗濯機洗い”でも15分程度洗濯液につけておくと、洗剤が繊維に浸透して、汚れが落ちやすくなります。
- 脱水は弱く
手洗い:やさしく、まんべんなく押しながら脱水。
・洗濯機洗い:30~60秒の短時間で脱水。
- 平干しが基本
ハンガー等に掛けて干すと、繊維に含まれた水分の重みで伸びてしまったり、型くずれしやすくなります。必ず、平干しにしましょう。
チェックポイント:織物と編み物の違い
布には織物と編み物があります。
織物
丈夫で形態が保ちやすく、毛玉ができにくい。
•たて糸とよこ糸が交錯している。
•糸のよりが強いものが多い。
編み物
保温性や伸縮性があり、しわになりにくく、洗濯後の乾きが速い。
•糸でつくられたループが連結している。
•糸のよりが弱いものが多い。
チェックポイント:縮の原因
洗濯により縮みやすい繊維には綿やウールがあります。
綿
吸水して繊維が太くなり、もとに戻らず収縮
ウール
繊維表面のキューティクルが絡み合って収縮(フェルト比)
TIPS3 毛玉対策をおしえて!
大きな毛玉は『ハサミ』で。
毛玉は布の表面の毛羽が絡み合ってできます。
毛羽立ちが多く、強い繊維ほど毛玉が多くなります。
例えば、ポリエステルやアクリルなどの合成繊維のみでできたニットで毛玉が目立つのはこのためです。
小さな毛玉
小さな毛玉はとりにくいため、毛玉取り器を活用しましょう。
布に毛玉取り器を軽く当てるように動かし、毛玉を刈り取ります。
※布に毛玉取り器を押し付けすぎると、布を傷めてしまう場合がありますので、注意が必要です。
大きい毛玉
セロテープとハサミで刈り取ります。
まず、毛玉にセロテープを貼り付け、セロテープを持ち上げて毛玉を浮かせます。
毛玉の浮いた足部分の繊維を切るようにすれば、布を切ってしまうことなく、毛玉のカットが可能です。
TIPS4 制服のテカリ!どうしたらいいの?
当て布をして、スチームアイロンを浮かせながらかけましょう
制服のおしりやひじの部分が椅子や机との摩擦を繰り返すと、布表面の繊維の毛羽が寝た状態になります。
このため光を反射してテカリが出ます。
テカリをとるには寝てしまった毛羽を起こすことが必要です。
- テカリ部分の布目と逆方向にブラッシングして、寝た毛羽を起こす。
- テカリ部分に当て布もしくは濡れタオルを当て、スチームアイロンをかしながらかける。
※テカリ部分の繊維が劣化している場合、回復は困難です。